最近,「めまい」を訴えて来られる患者さんが増えています.「めまい」の起きるのには,いろいろ原因があります.物理的な(解剖学的な)原因は,耳鼻科や脳外科の専門医の先生に治療をお任せすることにして,今日は,機能的な,西洋医学的なアプローチではなかなか症状の取れない「めまい」について,簡単な予防法・治療法を伝授したいと思います.
もともと耳の前庭という部分が平衡感覚を感知している部分で,この中にある,炭酸カルシウムでできている耳石器の動きで、私たちは,体の平衡状態を感じ取っています。この耳石器は三半規管の中にあり、三半規管の中はリンパ液で満たされています.体の「水」が過剰になると,このリンパ液の流れの状態に変化を生じ,このために「めまい」が生じてくるようです.
最近のように,じめじめした湿度の高い時期に起こりやすくなる「めまい」は,体の「水」のバランスが崩れて,体の保湿量が多くなる事による「めまい」がほとんどです.この時期には,もともと,湿度が高いため,私たちの体に,「水」が皮膚を通して入ってきます.このため,この時期には,「水」を介した症状が多く出現しやすくなります.この過剰な「水」により三半規管のリンパ液の流れにも異常が生じ,「めまい」となるようです.つまり,体の水分量が,ほどよい状態を保つことが,この「めまい」を生じさせないコツなのです.
体の中に,水をため込みやすいもので,代表的なものは「甘味類」「塩分」「解熱鎮痛剤」です.この時期には,特に摂取するものに気をつけましょう.
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