足のむくみと冷え感

足のむくみと冷え感

西洋医学的には,足のむくみと冷え感はまったく別物として考える現象で,すぐ心機能とか腎機能,はたまた,栄養状態の異常という話にすり替わってしまいますが,東洋医学的には,まったく違和感なく受け入れられる現象であり,充分ありえる話です.体の熱産生能力がおちてくると,「水」も体の中で「まわせなくなり」体の間質部分に溜まってきてしまいます.特に頭の方に「水」をもっていくのには,熱エネルギーが必要で,このエネルギーが枯渇してくると,腰が痛くなり,足の方に自然と水が貯まります.「水」は,比熱の大きい物質なので,「水」の有るところは,冷えてきます.
人間の体の基本は,すべて酵素反応で機能していますから,熱エネルギーがなくなってくる状態は,人間にとっては致命的なものとなります.なぜなら,酵素反応は,すべて,「一定の熱」がないと,反応しないからです.栄養が足りないから,栄養のある物をたくさん与えれば,元気になるという,妄想も,この酵素の話を理解していただければ,明らかにおかしいことがわかると思います.冷えている人にとっては,いくら栄養分を入れてあげても,消化酵素がちゃんと機能しなければ,そのまま,おしりから,食べた物がでてくるだけで,いや,もっと悪いことに,腸管の運動も低下していますから,お腹の中に食べた物がどんどん溜まってきてしまいます.その結果,お腹が異様にふくれてきて,今度は,食べられなくなってきます.この状況を解決するには,高価な栄養剤を投与するだけでは,何の解決にもならないことがわかると思います(といっても,現在の西洋医学的な栄養学では,単に入れる物のみの学門に徹しているため,このような,患者さんサイドの話は,まったく皆無で,とてつもなくお腹が張る栄養剤しかラインナップにそろえていません.困った物ですが...).
こんな時には,まず,体を温めてみましょう.先日読んでいた本の中に,「アイロン療法」というのがあり,これがなかなか效くようです.その他にも,東洋医学では,体を温めて治療する術がたくさんあります.お困りの方は,ぜひ一度,クリニックに立ち寄ってみて下さい.

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